ISO9001との関わり
ISO9001との出会い
ISO9001が制定されたのが1987年であるが、その当時は、日本国内には正式に審査ができる認証機関が
なかったため、海外の認証機関が審査を行っていた。当時、私の勤めていた会社もISO9001の認証取得
を目指していたが、当時はISOの参考書などはなく、ISO9001の英文規格書を教材として輪講形式で勉強
した記憶がある。あの抽象的なISO規格書では、何をどのように文書化したらよいのか分からないため、
内部監査員教育を英国の教育機関で1週間を受けたが、同時通訳付きの英語での教育であったため、よく
理解できず、あれもこれも必要ではないかと判断し、非常に重厚なシステムになってしまったという苦い
経験がある。
自分達で十分消化できない背伸びしたシステムとなっていたため、ルール通りの活動ができず、ISO初回
審査では、指摘事項が多すぎ、途中で審査停止となり、再審査を受けた記憶がある。
この苦い経験を活かし、その後のISO活動は、自分達が消化できる範囲内にすることが不可欠であり、500
頁以上あったシステムのルールを全面的に見直し、スリム化することであった。当時、ISO事務局兼管理
責任者であった立場から、各部門のルールを自分達の身の丈に合ったシステムにするように要請するのが
最も大きな仕事であった。
ISOシステム構築の基本的考え方
このような経験から、スリムなシステムが運用上最も重要な要素であることを認識し、その後のISO取得
支援には、この要素をシステム構築の最重点事項として取り組んだ。そのシステム構成の概要は以下の
ような内容である。
従業員100人以下の標準的な中小企業では
・マニュアル:規格要求事項対応頁 + 一部の手順記載頁 約30頁
・一部の手順書:A4 1枚のフローチャート 文書管理手順他数点
・各帳票類:10数点
合計 A4用紙約50枚程度
このようなスリムなシステム(約60件)でもポイントを押さえておれば、審査での指摘は全くなく、
日常の運営に対しても負担が大幅に軽減されています。