ものづくり補助金の審査について
ものづくり補助金の審査については、以下のような審査項目の内容を満たしているかどうかを審査されます。赤色の審査事項の大半
の項目を満たしていることが採択の条件になっているようです。
ただし、(1)補助対象事業としての適格性は必須事項です。
●審査項目
(1)補助対象事業としての適格性
「4.補助対象事業の要件」を満たすか。3~5年計画で「付加価値額」年率平均3%以上の増加等を達成する取組みであるか。
注:この条件を満たす事業計画でなければ、最初の段階で不適格となります。また、事業計画に記載されている数値計画は、その根拠
を明確にしておき、第3者の人にも納得していただけるリーゾナブルな計画でなければ不適格となる場合があります。
(2)技術面
① 新製品・新サービス(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイデアの活用等を含む))の革新的な開発と
なっているか。
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針」に
沿った取組みであるか(グローバル展開型では、地域内での革新性だけではなく、国際競争力を有しているか)。
注:まず、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する
指針」沿った取組みで、どの項目に該当する取組みかを明確にしておく必要が有ります。特に新製品・新サービスが、新規性のある
他社を差別化できる革新的な開発であるかどうかが、審査の重要なポイントになります。
② 試作品・サービスモデル等の開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に
設定しているか。
注:どんな開発でも、それに対する開発課題があるはずです。その課題解決が開発の決め手になります。また、数値目標など開発
目標を明確に設定しているかが求められます。
③ 課題の解決方法が明確かつ妥当であり、優位性が見込まれるか。
注:開発課題の解決方法が明確に示されており、その内容の妥当性と他社に対して優位かどうかが審査されます。
④ 補助事業実施のための技術的能力が備わっているか。
(3)事業化面
① 補助事業実施のための社内外の体制(人材、事務処理能力、専門的知見等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行
できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか
(グローバル展開型では、海外展開に必要な実施体制や計画が明記されているか)。
注:補助事業を円滑に推進できる社内外の組織体制、人材、技術力、設備及び資金計画等が準備されて いるかどうか審査の対象に
なります。
② 事業化に向けて、市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が
明確か。クラウドファンディング等を活用し、市場ニーズの有無を検証できているか(グローバル展開型では、事前の十分な市場
調査分析を行っているか)。
注:事業化に向けて、対象ユーザー、マーケットや市場規模などが把握されているか。また、市場ニー ズが的確に把握され、市場
ニーズの有無が検証されているかどうかが審査されます。
③ 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。
注:事業成果が、価格的、性能的優位性があるかどうか、収益性があるか、事業化までの手順やスケジュールが妥当かどうか。
④ 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等) が高いか。
注:補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模が妥当であるか。短期間に回収できる計画で あるか。その実現性は十分
あるかどうか。
(4)政策面
① 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等や雇用に対する経済的波及効果を及ぼ すことにより地域の経済
成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか(グローバル展開型では、事業の成果・波及
効果が国内に環流することが見込まれるか)。
注:地域の雇用や地域の経済成長に貢献する事業か。
② ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理な どにより差別化を行い、
グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
注:ニッチ分野において他社との差別化によりグローバル市場でもトップの地位を築ける力を有して いるか。
③ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が
難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が 期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業
等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。また、事業承継を契機として
新しい取組を行うなど経営資源 の有効活用が期待できるか。
注:共通のプラットフォームなどを構築して複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上 が期待できるか。
④ 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施、経済社会にとって特に重要な技術の活用、新しい
ビジネスモデルの構築等を通じて、我が国のイノベーションを牽引し得る か。
注:先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、環境に配慮した事業の実施や新しいビジネスモデルなどを通じて技術革新の
先頭に立っているか。
・ ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容であるか。
また、成長と分配の好循環を実現させるために、有効な投資内容となっているか。
注:ウィズコロナ・ポストコロナに向けた経済構造の転換、事業環境の変化に対応する投資内容であるか。
(5)炭素生産性向上の取組等の妥当性(グリーン枠のみ。【様式2】を元に審査します。)
① 炭素生産性を向上させるための課題が明確になっており、温室効果ガスの排出削減等に対して有効な投資となっているか。
② 炭素生産性を向上させるための取組内容が具体的に示されており、その算出根拠、効果が妥当なものとなっているか。
③ 設備投資の効果が定量的に示されており、その算出根拠が妥当なものとなっているか。また、本事業の目標に対する達成度
の考え方、見込みが明確に設定されているか。
④ 温室効果ガスの排出削減、エネルギー消費削減等に資する継続的な取組が実施されているか。
●加点項目
① 成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」
② 政策加点:
②-1:「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
②-2:「パートナーシップ構築宣言を行っている事業者」
②-3:再生事業者(本事業における再生事業者の定義は別紙4の通り)
②-4:「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況」(デジタル枠のみ)
③ 災害等加点:「有効な期間の事業継続力強化計画の認定を取得した事業者」
④ 賃上げ加点等:
④-1:「事業計画期間において、給与支給総額を年率平均2%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+60円
以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出している事業者」、又は、「事業計画期間において、給与支給総額を年率
平均3%以上増加させ、かつ、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+90円以上の水準にする計画を有し、事務局に誓約書を提出
している事業者」に対して従業員数の規模に応じた加点を行います。
④-2:「被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合」
※ 加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致した場合にのみ加点されます。
●減点項目
① 応募締切日から過去3年間に、類似の補助金*の交付決定を1回受けている場合
(過去3年間に、既に2回以上交付決定を受けた事業者は申請対象外となります。)
* 平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業、令和元年度補正・令和二年度補正ものづくり・商業・
サービス生産性向上促進事業
備考:詳細は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領(11次締切分)を参照ください。