空調機の省エネについて
空調機は、工場や事務所などで最もエネルギーを消費している機器の1つであり、全体の省エネに対して は、この空調機の省エネが不可欠である。
空調機の省エネに対しては、以下のような方法がある。
1. エネルギー効率の良い空調機に入れ替える。
電気式の空調機の場合、空調の寿命は平均13年程度と云われている。下表は、13年以上経過した空調機と 最新の省エネ空調機を比較した表である。
最近、使用されている空調機は殆どヒートポンプ方式であり、入力Wより出力Wの方がはるかに大きく、高 効率の仕様になっている。一般的に空調機の効率はCOPで表され、COP=出力W/入力W であり、上 表で新旧の効率を比較すると、新型の方が冷房では1.34倍高効率となっている。
2.空調機の温度差設定を少なくする。
下図は、室内温度と消費エネルギー比をグラフにしたものであるが、冷房の場合、1℃温度を下げると約 10%エネルギーを多く消費すると云われている。できるだけ高い温度に設定すること。
3.部屋の断熱対策
部屋の断熱対策としては以下のような方法がある。
窓ガラスを2重ガラス仕様にする。
部屋の側壁、天井及び床を厚い断熱材を使用した断熱仕様にする。
窓には遮熱フイルムを貼ったり、ブラインドで遮熱する。
4.空調機のフイルター清掃
空調機のフイルターを定期的に清掃する場合と全くしない場合の冷暖房能力を比較すると、ほこりや油ミ スト等が発生する工場などの場合、10%以上の効率差が生じる。
5.扇風機等との併用
電車などでも扇風機併用を経験されたことがあると思いますが、空調機と扇風機を併用すると、体感温度 としては2~3℃温度低下の効果が得られる。
6.デマンド警報機によるピークカット
夏場などでは、日中の一番暑い時間帯に空調機がフル運転して、その時にピーク電力を記録し、それが電 気代の基本料金になる場合が多い。デマンド警報機を設置すれば、ピーク電力設定値を超えそうであれば、 警報を発してくれ、空調機を一時的にOFFか出力を下げる。少し省エネにもなるが、電気代の基本料金を 下げられる効果の方が大きい。